自動車工場で働く肺がん患者さんの両立支援の事例

2022.12.19

自動車工場の人事担当者

問題:副作用のイメージがつきにくく、どこから手をつければよいか悩みましたが、
解決:業務負荷を減らすことは可能でしたので、、残業や夜勤は制限すること、通院時の時間休やフレックスタイムの使用などで対応を試みました。その後も副作用の状況を適宜伺いながら調整しました。

建設会社の人事担当者
肺がん患者さん
肺がん患者さん

副作用を人事の方と共有して、業務上どのような弊害になるか改めてイメージが浮き彫りになりました。 体力の低下やできないことはありますが、できる範囲でと言って頂けてとてもありがたかったです。

56歳男性、総社員数300名の自動車工場で責任者の立場にある。肋骨に転移のあるstageⅣ肺がんに対して化学療法(抗がん剤)を行う予定。肋骨転移への放射線照射が終わり、職場に復帰の相談に行った。

人事担当者は治療サポートのホームページを参照し、仕事内容と症状から配慮事項を検討した。男性は痛み止めの副作用で眠くなること、便秘、吐き気が出現する可能性があること、抗がん剤を打った後の倦怠感が懸念されることを伝えた。業務上の懸念点としてデスクワークは問題ないと考えるが、途中休憩が必要になるであろうこと、化学療法のため3週間に一度の通院、加えて検査のために単発で通院が必要になることを伝えた。仕事内容はデスクワーク中心であるが、月に1~2回程度の夜勤がある。9時~17時である。休憩60分、現場に出る際は早番遅番あり。現場に入る際は暑熱作業あり。

上記から人事担当者は現在の業務を継続しつつ、残業や夜勤は制限すること、化学療法のための通院時は時間休やフレックスタイムの使用、暑熱作業時の衣類の整備や作業時間の設定、体調不良時の休憩所の使用、を配慮事項として挙げた。

男性は作成された書類を主治医に提出し、主治医は書類を基に意見書を作成した。